軸大きさ89ｘ35ｃｍ。本紙大きさ73ｘ32ｃｍ。養蚕信仰の蚕の守り神として描かれた新田の猫絵、珍しい陰刻の木版護符です。新田道純筆と彫られており、岩田家当主道純の猫絵を写したものと思われます。養蚕のネズミ除けとして何故か新田義貞の血を引く旗本・岩田家当主の描く猫絵が霊験あらたかとされて人気を博し、養蚕の振興とともに4代にわたって岩田家当主の猫絵が描かれ続けました。同時に岩田家当主のものではない多くの類似品が描かれましたが、定形が決まっている新田の猫絵に比べて類品のほうは自由でユニークなものがあり、現代の眼が見て日本の素朴絵のひとつとして興味深いものです。本品のような木版のものも多く作られましたがこちらはかえって肉筆のものよりもバリエーションが少ないのですが本品は初めて見る陰刻（通常の木版の反対で黒地に白線が浮かび上がるもの）のもので、極めて珍しいバリエーションのものと思います。まくりとはいえ今後発見されるかわからない、現時点で唯一のものですので猫絵コレクションの逸品かと思います。

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